麦わら村長のうなぎ村計画

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CRAFTRIPビデオグラファー

熊谷 拓郎

茨城県かすみがうら市。全国2位の面積を誇る湖である、霞ヶ浦の一画。

麦わら帽子にサングラスを身に着けた大柄の男が、男女数名を引き連れて湖の中に入っていく。その様子は、仲間とともに冒険するロールプレイングゲームのような一体感を抱かせる。腰の高さまで湖に浸かり、大きな声を上げて先導する男の片手に見えるのは、たも網。

「おぉ!デカいうなぎ!」

たも網の中には、腹の部分を鮮やかな金色に染めたうなぎが、活き活きと動き回っている。

「うなコンダだ!うなコンダ!」

「すごーい!これは食べるのが楽しみですね!」

男は口角を上げてうなぎをじっくりと見つめる。サングラスの奥に、目尻が細く伸びた優しそうな瞳が、うっすらと見えた。

「よっしゃ、まだまだ行こう!」

霞ヶ浦を横断するように男はまた歩き始めると、仲間の肩を組み大きな声で笑った。それに呼応して仲間たちの笑い声が響き渡る。霞ヶ浦の穏やかな波が、その笑い声を包み込むように、居心地の良い音を立てるのが聞こえた。